一言でシミと言ってもいくつかの種類に分類できます。シミの種類によって取るべき対策も異なってきます。自分自身のシミの種類を知ることで、適切な対策をすることができるようになります。
【シミの種類】
老人性色素斑
加齢や紫外線ダメージによってできるシミで、直径5mm以上の大きさで境界がはっきりしています。色は茶色から黒色で、主に頬やこめかみ、首などにできます。
炎症後色素沈着
ニキビや虫刺されなどの炎症が治った後に残るシミで、直径2mm以下の小ささで境界がぼやけています。色は赤みがかった茶色で、主に額やあごなどにできます。
雀卵斑(そばかす)
遺伝性のシミで、幼少期から現れます。直径1mm以下の小ささで境界がはっきりしています。色は薄い茶色で、主に鼻や頬などにできます。
肝斑
女性ホルモンの影響やストレス、睡眠不足などによってできるシミで、左右対称に現れます。形は不定形で境界がぼやけています。色はくすんだ茶色で、主に頬や目の下などにできます。肝斑は、女性に多いと言われていますが、実は男性でも起こることがあります。肝斑発症者全体の約5〜10%が男性だと言われています。
摩擦性黒皮症
入浴時に体をゴシゴシ擦ること等が原因でできる、茶色から黒色の色素沈着のことを言います。ナイロンタオルで色素沈着を起こすことが多いため、別名ナイロンタオル黒皮症とも呼ばれています。形は不定形で境界がはっきりしています。色は黒色で、主に首や脇などにできます。
光線性花弁状色素斑
海水浴など強い日焼けをした後にできるシミで、花弁のような形をしています。形は不定形で境界がぼやけています。色は濃い茶色で、主に頬や鼻などにできます。
シミ種類別の対策
「老人性色素斑」が原因のシミ対策
- レーザー治療を受ける:色素がはっきりとしたシミに対しては、「ピコショット」というレーザー治療で消していきます。レーザー光はメラニン色素に吸収され、シミを分解します。
- メラニンの排出を促す:ピーリングやイオン導入などの美容施術を受けて、メラニン色素を含む角質層を剥がすことで、シミを薄くすることができます。ただし、肌への刺激が強い場合は逆効果になることもありますし、繰り返し行う必要があります。
- メラニンの生産を抑える:美白化粧品やビタミンC誘導体などの内服薬を使って、メラニン色素の生成を抑制することができます。ただし、効果は個人差がありますし、長期的に使用する必要があります。
「炎症後色素沈着」が原因のシミ対策
- レーザー治療を受ける:美容皮膚科でのレーザー治療は、メラニン色素を含む皮膚組織を破壊して除去する効果があります。ただし、費用がかかりますし、肌への刺激が強い場合は逆効果になることもあります。
- 美白の塗り薬を使用する:クリニックで処方される美白の塗り薬は、メラニン色素の生成を抑えたり、排出を促したりする効果があります。特に効果が高いとされる成分は「ハイドロキノン」です。ハイドロキノンは、メラニンを作る酵素を直接阻害することによって、美白の効果を発揮します。ただし、効果は個人差がありますし、長期的に使用する必要があります。
- 男性用化粧品を使用する:男性用化粧品には、美白成分や保湿成分などが配合されているものがあります。これらは、肌の新陳代謝を促してシミを薄くしたり、紫外線から肌を守ったりする効果があります。ただし、効果は個人差がありますし、毎日使用する必要があります。
「雀卵斑(そばかす)」が原因のシミ対策
雀卵斑は、老人性色素斑とは異なり、肌の深い部分にあるため、市販の美白化粧品では消すことが難しいです。
雀卵斑を消すには、医療機関での治療がおすすめです。医療機関では、ハイドロキノンやトレチノインという成分を含む外用薬を処方してくれます。これらの成分は、メラニン色素の生成を抑えたり、排出を促したりすることで、雀卵斑を薄くする効果があります。
また、レーザー治療や光治療といった機器を使った治療もあります。これらの治療は、メラニン色素に反応する光を照射して、シミを分解することで、雀卵斑を消す効果があります。ただし、これらの治療は費用が高くなる場合や、肌に刺激を与える場合もあるので、注意が必要です。
「肝斑」が原因のシミ対策
- レーザー治療を受ける:美容皮膚科でのレーザー治療は、メラニン色素を含む皮膚組織を破壊して除去する効果があります。ただし、費用がかかりますし、肌への刺激が強い場合は逆効果になることもあります。
- 美白の塗り薬を使用する:美白外用剤やビタミンCなどの成分を含む化粧品を使って、肌のターンオーバーを促すことが大切です。
「摩擦性黒皮症」が原因のシミ対策
外用薬と美容医療による治療が有効です。外用薬としては、ハイドロキノンやトレチノインなどの成分が配合されているクリーム剤が有効です。美容医療ではレーザートーニングやケミカルピーリングで治療ができます。
「光線性花弁状色素斑」が原因のシミ対策
Qスイッチレーザーやピコレーザーといったシミ取りレーザーが有効です。レーザー治療は、色素斑の部分にレーザー光を照射して、色素を分解する方法です。レーザー治療は、一般的には痛みが少なく、ダウンタイムも短いとされています。ただし、個人差がありますので、治療前には必ず医師に相談してください。
液体窒素による冷凍凝固処置も有効です。液体窒素による冷凍凝固処置は、シミの部分に液体窒素をスプレーで吹き付けて、シミを凍らせて剥がす方法です。
飲み薬や塗り薬による治療は、ビタミンC、トラネキサム酸、ハイドロキノン、トレチノインなどがあります。これらの薬は、色素の生成を抑えたり、色素の排出を促したりする効果があります。ただし、これらの薬にも副作用がありますので、使用前には必ず医師に相談してください。